うちのピアノから見る日本経済の歴史 [随想]

先月、中古ピアノを購入したことは前に紹介しました[1]。そのアップライトピアノの機種名はYAMAHA U3Gで、1971年製のかなり古い機種です。アコースティックピアノは一台一台違う音がするので、聞き比べて娘が気に入った音がこのピアノでした。購入価格は約300,000円でした。

このU3シリーズ、皆さんに自慢できるような高級機種ではありません。最下位機種ではありませんが、庶民が買うピアノです。YAMAHAのウェブページには歴代の機種のラインナップがあります。YAMAHAのピアノをお持ちの方は一度確認されてはいかがでしょうか。

http://jp.yamaha.com/products/musical-instruments/keyboards/successive/

さて、このU3シリーズのページは以下のページです。

http://www.yamaha.co.jp/product/piano-keyboard/successive/index-002.html#U3series

この中から抜粋してみると日本経済が見えてきます。

機種名 年代         価格
#300  1946 ~ 1953    260,000
U3A  1954 ~ 1959    260,000
U3B  1954 ~ 1962.4   280,000
     1962.4 ~ 1963   265,000
U3C  1959 ~ 1962.4   260,000
    1962.4 ~ 1965    246,000
U3D  1959 ~ 1962.4   280,000
    1962.4 ~ 1964    265,000
U3E 1965.5 ~ 1966.4   270,000
    1966.4 ~ 1970.3   266,000
U3F 1970.3 ~ 1971.3 290,000
U3G 1971.3 ~ 1972.4 300,000  うちの購入機種
U3H 1972.4 ~ 1973.4   300,000
    1973.4 ~ 1973.12  350,000 第1次オイルショック(1973)
    1973.12 ~ 1974.7  400,000
    1974.7 ~ 1980.9   450,000 第2次オイルショック(1979)
U3M   1980.9 ~ 1982.12 510,000
U3A    1982.12 ~ 1987.2 550,000
U30Bl 1987.4 ~ 1989.3 565,000
       1989.3 ~ 1989.9 515,000
U30A   1989.10 ~ 1992.6 580,000 バブル景気(1986~1991)
       1992.7 ~ 1994.3 610,000
U300   1994.3 ~ 1997.8  660,000

日本がだんだん豊かになってピアノの値段もじわじわ上がってきた1971年製のピアノが私が買ったU3Gです。

その後、1973年と1979年のオイルショックとそれによる物価上昇によりすごいペースでU3シリーズの価格が上昇しています。

そしてしばらく安定期のあと、バブル景気でまた急激に上昇しています。

物価上昇やその時々の経済情勢でピアノの価格も動いていることが分かります。もしかしたらU3シリーズが滅んだのはその後のデフレ経済のせいかもしれません。

現行機種で名前が似ているのは
YU33 829,500円
です。これが後継機種かどうかはわかりません。

そしてもう1つ、うちのピアノU3Gは1971年の定価は300,000円で、なんと2010年の中古価格も300,000円という面白いことになっています。物価上昇分を考慮してもピアノというものは価値が下がらないものなのだなという感想も同時に持ちました。電子ピアノはここまで価値を保つことは不可能でしょうね。

PS:グラフにすればよいのですが、今日はその気力が出ませんでした。

[関連情報]
[1] ピアノがやってきた! , 10/08/19


2010-09-23 17:54  nice!(13)  コメント(24)  トラックバック(0) 
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もみじ [音楽日記]

長女(小4)が音楽の授業の合唱の伴奏を音楽の先生から依頼されてきました。曲は

紅葉(もみじ)
作詞:高野辰之(1876-1947) 作曲:岡野貞一(1878-1941)

です。ピアノ教室に通って弾いている曲より難易度は低いですが、難しいところは

1、間違えられない。伴奏者がこけるとクラス全員がこけます。つまり完成度を上げなければなりません。

2、自分の練習曲ならゆっくりテンポでもいいですが、通常のテンポまで高めなければなりません。

です。なかなか大変そうです。ピアノを習っている児童が3人いて相互推薦で決まったようです。
曲は簡単ですが、曲の完成度を高める練習にとてもよいと思います。しかし音楽の授業はつぎの金曜日。間に合うのか。現在、とりあえず弾けますが、こけますね。

私もDTMしてみたいのですが問題があります。作詞・作曲の著作権は作詞家、作曲家の死後50年です。ということでこの曲本体は著作権フリーですが、編曲者がいるので、勝手に公開はできないようです。自分で伴奏つけるうでもないし・・・ちなみに映画の著作権は公開後70年だそうです。

むかし、むかし、私が小学生だったころも同じようにクラスでピアノが上手な子が伴奏をしていました。少なくとも私にはまさに音楽の時間のヒロインでしたね。今日は親ばか日記ということで・・・


2010-09-19 23:12  nice!(11)  コメント(31)  トラックバック(0) 
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ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のYouTubeサイト [リンク集]

前回、ロンドン交響楽団をYouTubeサイトを紹介しましたが、やはりこちらを忘れるわけにはいきません。

ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のYouTubeサイト

http://www.youtube.com/user/BerlinPhil

指揮 サイモン・ラトル
ピアノ 内田光子
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番

私はラトルの熱い演奏が好きです。ラトルが若い頃は特に表情が情熱的でした。



昨年の小澤征爾さんのインタビューです。英語ですが・・・生い立ちや斉藤先生との出会い、カラヤンとの関係など語っておられます。



まだ、忙しい日々が続いており、今日も簡単な記事になってしました。今度の土日もまた仕事のようです。

[関連情報]
[1] ロンドン交響楽団のYouTubeサイト, 10/09/12


2010-09-16 00:00  nice!(12)  コメント(18)  トラックバック(0) 
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ロンドン交響楽団のYouTubeサイト [リンク集]

ブログを書いていて動画をリンクしたいことが多いのですが、テレビの放送をそのままアップロードしたような動画は現在のところなるべく避けているつもりです。そうするとどうしても素人の演奏の動画になることが多いのが悩みの種です。高質な問題のない動画を探していて行き当たったのがロンドン交響楽団です。言わずとも知れた世界の超一流楽団の1つです。

ロンドン交響楽団のYouTubeサイト London Symphony Orchestra
http://www.youtube.com/user/Lso

現在、81の動画がアップロードされています。その中からベートーヴェン交響曲第6番第4楽章をどうぞ。



演奏会の模様だけではありません。マスタークラスという動画があり、ほとんどの楽器に関して一流の演奏家の講義が受けられます。その中からオーボエをどうぞ。



この土日は仕事で忙しく簡単に書ける記事になってしましました。


2010-09-12 00:00  nice!(11)  コメント(19)  トラックバック(0) 
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加速器と音楽は関係があるのか! [音楽日記]

いつも私のブログをご訪問いただくoptimistさんが、高エネルギー加速研究機構(KEK)の一般公開を記事にされておりました。面白そうなので我が家でもKEKの一般公開に行ってきました。

2010年9月5日 KEK(高エネルギー加速器研究機構)一般公開2010

KEK3.jpg

うちの長男は理系の方に興味があるので、勉強する動機付けのつもりで、optimistさんが紹介している研究所の一般公開に連れて行ってます。まあ、私の楽しみが大きいかもしれません。これまでに今年行った研究所は以下のとおりです。

[1] 2010年4月18日 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 調布航空宇宙センター 一般公開

[2] 2010年5月22日 JAMSTEC横須賀本部の施設一般公開

[3] 2010年7月19日 東京湾海上交通センター 「海の日」一般公開

[4] 2010年7月31日 港湾空港技術研究所 一般公開

え?音楽に関係ないと!いえいえ、これからです。この高エネルギー加速研究機構(KEK)には「KEKコンサート」なるものがあって、年に何回もKEKにおいて、コンサートを行っているようです。

http://music.kek.jp/

さらに今年は「科学と音楽の饗宴」なるものも開かれるそうです。

http://www.kek.jp/ja/event/concert/2010.html

この組織、いったい何者!この組織、素粒子の研究組織ですが、この世の根源的なことを考えると、そこには美や調和があるということなのでしょうか。音楽が研究の助けになるのでしょうか。単に音楽好きな人がいるだけでしょうか。


2010-09-09 00:00  nice!(13)  コメント(21)  トラックバック(0) 
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ショパンと私の人間関係数珠つなぎ [音楽日記]

今日は軽い話です。今年生誕200年のショパンと私の関係をこのブログでおなじみの登場人物も交えて数珠つなぎしてゆきます。

Q: ショパンと同棲したジョルジュ・サンドをショパンに紹介したのはだれ?

A: フランツ・リスト

Q: リストの娘でリヒャルト・ワーグナーと最終的には結婚したのはだれ?

A: コジマ・ワーグナー

Q: リヒャルト・ワーグナー亡き後、ウィーン音楽界を支配したコジマ・ワーグナーに取り入り、ウィーン宮廷歌劇場の指揮者になったとされているのはだれ?

A: グスタフ・マーラー

Q: 美貌と才能あふれるグスタフ・マーラーの妻はだれ?

A: アルマ・マーラー

Q: アルマ・マーラーの死んだ年に生まれたのはだれ?

A: 私ことyablinsky

え?最後は人間関係でないと・・・失礼しました。それに年がばれている・・・・

あっさり書きましたが、1つ1つのQに人間ドラマがありますね。


2010-09-05 00:00  nice!(11)  コメント(20)  トラックバック(0) 
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ショパンの歌曲 [CD・DVD]

ショパンといえばピアノ曲ですが、ショパンも歌曲を書いていたのですね。ショパン全集[1]を買うまで知りませんでした。今日はそのショパン全集17枚目の歌曲のCDを聴いて見ました。

17のポーランドの歌 作品74
17 Polish Songs op. 74

その17の歌曲の中の1つ目が

1, Zyczenie (The Wish) 乙女の願い

です。お聞きください。



なんだかとても聞きやすい曲ですね。私は実力不足で歌曲を評論することはできません。ただ、この曲だけでなく、17の曲どれも聞きやすく良い曲と思います。リストはこの17の曲中、6曲を選んで編曲しているそうです。では同じ曲をリストが編曲したものです。



演奏のルイ・レーリンクさん、存じ上げませんが、日本にお住いの方のようで、ホームページもあるようです。すばらしい演奏です。

[関連情報]
[1] ショパン全集, 10/08/12


2010-09-02 00:00  nice!(12)  コメント(19)  トラックバック(0) 
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もう1つの交響曲第1番「巨人」(マーラー) [マーラー]

マーラーと言えば交響曲の印象が大きいのですが、交響曲の他にマーラーが精力を費やしていたと思われるのが歌曲です。声楽をされている方には常識かも知れません。マーラーは生活と名声のために指揮をして、本当にしたかったのは作曲だったようです。この歌曲はヨハンナ・リヒターに対する思いを書いたものだそうです。

歌曲
Lieder eines fahrenden Gesellen
さすらう若者の歌
Gustav Mahler

この歌曲との出会いは私にとって驚きでした。何気なく、歌曲集を聴いていたのですが、突然、交響曲第1番[1]のフレーズが始まったのです。そしてしばらく聞いていると交響曲第1番の第3楽章も始まったではありませんか。作曲時期を改めて調べてみると次のようになっています。

1884-1885 作曲 ピアノ伴奏
1884-1888 交響曲第1番「巨人」作曲
1891-1896 改定 オーケストラ伴奏
1897 初演(オーケストラ伴奏)

ほぼ同時期の作曲で、歌曲の方が早いとされています。交響曲第1番は自然崇拝、英雄の曲のイメージ[1]ですが、この歌曲のテーマは失恋です。どうもイメージが合いませんので、個人的には別の曲と考えながら聞きます。もしかしたら「巨人」も失恋しているのでしょうかね。それともマーラーが巨人なのか・・・歌詞が気になるところですが、wikipediaに和訳[2]が載ってますので、ご覧ください。交響曲中の独唱・合唱と違ってマーラー自身の作詞だそうです。

1, Wenn mein Schatz Hochzeit macht 彼女の婚礼の日は

恋する人の結婚式。もちろん自分とではありません。あなたならどう過ごしますか?全部動画を載せるとメリハリがつきませんので、ここは見送ります。動画を見られたい方は[3]にリンクを付けておきます。

2, Ging heut' Morgen uber Feld 朝の野原を歩けば

交響曲第1番「巨人」第1楽章のメロディがいきなり流れます。結婚式のたぶん翌日。自然の中を歩くと自然はなんと美しいのでしょうか。希望が見えて来ます。



3, Ich hab' ein gluhend Messer 燃えるような短剣をもって

一転して激情が表に出ます。しかし後半はまた悲しみの中に戻ってゆきます。この楽章もリンクだけ付けておきます[4]。

4, Die zwei blauen Augen 彼女の青い目が

交響曲第1番「巨人」第3楽章の中で使われています。「どうしてその青い目で私を見つめたのだ」と言われても相手の方もどうしようもないですが、本人が一番どうしようもないのかも知れません。どうも以下の画像変です。音声は大丈夫です。



もし交響曲第1番が独唱付きだったらと考えても面白いかも知れませんね。もしかしたらマーラーは考えていたかもしれませんね。

[関連情報]
[1] マーラー:交響曲第1番「巨人」Der Titan, 2010/07/15
[2] さすらう若者の歌, wikipedia
[3] 第1楽章
[4] 第3楽章


2010-08-29 12:00  nice!(11)  コメント(22)  トラックバック(0) 
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生誕・没後~周年 [随想]

この記事で100記事目のようです。音楽が最も不得意な人間が始めた音楽ブログにしてはよく続いているなと思っています。仕事は音楽と関係ないし、楽器の演奏が趣味であるわけでもないので、ブログを始めた時点で書きたかったことはもう全部書いたという感じで、ネタ切れとの戦いが最近は続いています。100記事も書けたのは、いつもご訪問頂きコメント頂く皆さんのおかげとこの場を使い心から感謝申し上げます。niceを頂いている人にも感謝します。では本日の記事です。

ご存じの通り、クラシックの世界で毎年皆が心待ちしている新作が発表されたり、皆が支持する新人が生まれたりしませんので古い時代の作曲家を大事にします。そこで作曲家の生誕~周年や没後~周年というのがなかなか重要なことになっているようです。

クラシックの世界では作曲者は星の数ほどいますが、皆が知っている有名な作曲家で今年記念の年を迎えたのが
2010年 生誕200年 ショパン(1810-1849)
2010年 生誕200年 シューマン(1810-1856)

です。今年のピアノのリサイタルはショパンが大半ですね。そして例年よりシューマンも多いようです。マスコミもこの2人を取り上げることが多いですね。このブログを訪問頂いている方には分かると思いますが、もう1人忘れてもらっては困るのが

2010年 生誕150年 マーラー(1860-1911)

です。ファンとしてはどうも先の2人比べて陰が薄いのが気になります。それで私のブログくらい盛り上げようとマーラー特集をしている訳です。しかし彼の没年をみると、なんと来年もマーラーイヤーではありませんか!

2011年 没後100年 マーラー(1860-1911)

来年もマーラーイヤーを楽しめるとはうれしいですね。ということで、このブログが続いていればマーラー特集も続くことになります。もっともそんなにネタはないのではないかと不安ですね。もう1つ、鬼が笑いそうですが、来年忘れてはいけないのが

2011年 生誕200年 リスト(1811-1886)

です。リスト全集などCDもいっぱい出そうで楽しみです。リサイタルもリストが増えそうです。ただ、子どもが演奏する曲としては難曲ぞろいですね。あまり先を考えても楽しみがないので調べるのは2011年までとしましょう。


2010-08-26 00:00  nice!(12)  コメント(23)  トラックバック(0) 
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映画「マーラー」 [マーラー]

いつもこのブログをご訪問いただくワカタカタカコさんから「マーラー」という映画を紹介してもらっていました。マーラーファンですが、映画ファンではないので見たことがありませんでしたので、レンタルしてみました。

映画「マーラー」(1974)
監督:ケン・ラッセル

これは誰にでも薦める映画ではありません。面白くないというわけでなく、一言で言えば、アバンギャルドです。アバンギャルドでもいかにも70年代風です。その後のハリウッドを中心とした映画の発展を見ていると、やはり一般大衆は映画にはリアリズムを求めていることを市場が物語っています。SFであっても、実際にありそうな雰囲気が大切で、一般聴衆を引き込むことができます。

この映画、いかにも前衛的で、はじめから家が燃えたり、カイコの繭から妻のアルマが生まれ、マーラーは石だし、映画にリアリティ以上の芸術を求める人向けです。でも話がめちゃくしゃではなく、ちゃんとマーラーの人生を描いています。マーラーファンとしてみてよかったと思いました。最近でもNHKがたまにこの映画のような前衛的ドラマをつくることがありますが、たぶん視聴率は取れてないでしょうね。

交響曲第9番と作曲家の死を気にしていたマーラー。職を得るために改宗したマーラー。なき子をしのぶ歌を作曲し、本当に子供を失ったマーラー。など主要なところは描いています。また、アルマの存在はこの映画の中では大きく描かれています。実際、アルマがグスタフ亡き後マーラーについて語ったものが、マーラー像を作り上げていますので、順当なところです。

映画ファンでないので、十分に論評できません。映画やこの作品についてご存知の方はいろいろ教えてください。

追伸:nyankomeさんのコメントにコメントしていて内容を追加することにしました。

この映画にはBGMとしてマーラーの交響曲を中心とした曲が使われています。そのほかワグナーも一部使われています。マーラーファンがその音楽を楽しむためにこの映画を見るという楽しみ方もあります。また、マーラーの音楽を知りたい人が入門するにもよいかもしれません。

ところで、1つ感じたのはマーラーの交響曲は、マーラー自身の人生を描くのにも壮大すぎるということです。


2010-08-22 00:00  nice!(10)  コメント(19)  トラックバック(0) 
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