ショパンコンクール その6 [音楽日記]
ショパンコンクールも後半です。第3ステージに進めるセミファイナリストは次の20名です。発表順でなく演奏順に並べました。
Mr Miroslav Kultyshev Russia Steinway
Mr Daniil Trifonov Russia Fazioli
Mr Jayson Gillham Australia Steinway
Ms Leonora Armellini Italy Kawai
Ms Fei- Fei Dong China Steinway
Ms Claire Huangci USA Yamaha
Mr Paweł Wakarecy Poland Steinway
Mr Evgeni Bozhanov Bulgaria Yamaha
Ms Wai-Ching Rachel Cheung China Steinway
Mr Yury Shadrin Russia Steinway
Ms Irene Veneziano Italy Fazioli
Mr Nikolay Khozyainov Russia Yamaha
Mr Mei-Ting Sun USA Yamaha
Ms Yulianna Avdeeva Russia Yamaha
Mr Marcin Koziak Poland Steinway
Mr Ingolf Wunder Austria Steinway
Mr Lukas Geniušas Russia/Lithuania Steiway
Mr François Dumont France Fazioli
Mr Andrew Tyson USA Steinway
Ms Hélene Tysman France Yamaha
国別に集計してみましょう。
ロシア 6
アメリカ 3
中国 2
ポーランド 2
イタリア 2
フランス 2
オーストリア 1
オーストラリア 1
ブルガリア 1
に、に、日本人がいない!それに比べロシア人は6人。江州石亭さんははっきりは書きづらいようでしたが、江州石亭さんがブログの端々で予想された通りです。さすが石亭さん、お耳が高い!ピアノの先生からもメールをいただきましたが、日本人ゼロはこれは1975年以来とのこと。日本のピアノ界はしばらく大変でしょう。
日本人はいなくなりましたが岩崎洵奈さんのファンになったのはよかったことです。すばらしい日本人ピアニストに出会えないのは悲しいですからね。
このブログでショパンコンクールの始まった当初から前回以外毎回取り上げてきたClaire Huangciさんは残ってますよ。さすが、石亭さんと私です。と、自画自賛。なにー。今夜、深夜に演奏ですか。いやー明日の仕事は眠くなりそうです。
個人的にはロシアのピアノの演奏はすごいのは分かるのですが、好みではないのです。もっともっとねっとり聞かせて欲しいです。DTMをやっているとPCによる演奏から遠い演奏にあこがれるのです。そんな演奏の好みから言えば、Fei Fei Dongさんですね。彼女も残ってます。彼女の演奏も今夜、深夜です。
さてピアノメーカーはどうなっているかといえば、
メーカー 第3ステージ台数(第2ステージ台数、第1ステージ台数)
Steinway 10 (23,53)
Yamaha 6 (7,11)
Fazioli 3 (4,4)
Kawai 1 (6,10)
となってます。Kawaiは力つきたか。Fazioliは第1ステージからのサバイバル率は驚異的です。しかし、第2ステージから第3ステージへのサバイバル率はYamahaはもっと驚異的です。Steinwayの背中が見えてきました。
日本人がいなくなり、全国的には興ざめでしょうが、私にはまだまだ熱い日々が続きます。一般の人はショパンコンクールをやっていることも知らないでしょうね。それに日本人がいなくなり、最終的にニュースにもならないのでしょうね。
[関連情報]
[1] ショパンコンクール, 10/10/06
[2] ショパンコンクール その2, 10/10/10
[3] ショパンコンクール その3, 10/10/11
[4] ショパンコンクール その4, 10/10/12
[5] ショパンコンクール その5,10/10/13
共通テーマ:音楽
日本人のセミファイナリストがいないのは残念ですね。
でもYAMAHAの使用率は伸びていますね。
by nyankome (2010-10-15 08:11)
興味深くまとめられ,分析され,ありがとうございます。
正直言うと,今回,演奏者にはほとんど関心がなく,
気になっていたのはFazioliの評価だけだったので,
私的には,これからのほうが気になります。
と言いますのは,Fazioliにとっては初めての国際舞台で,
いろいろな賞賛の言葉がこれまでかけられてきていますが,
それが本物なのか,それとも単なる宣伝文句に過ぎないのか,
明らかになると思われるからです。
また,Fazioliの音(スピーカーを通しての音ですが)は,確かに違う,
と私の耳でもわかる(ような気がする)ので,私の耳の審査でもあり,
そういう意味でも興味があります。
ですので,選んだ人が4人は少なすぎるとは思いましたが,
そのうち3人残っているというのは,とてもうれしいし,
今後も期待,という感じです。
YAMAHAは,海外では昔から評価高いですからね。
日本人が一番厳しく評価しているのではないでしょうか。
日本のメーカーだからといって避ける参加者はまずいないと思います。
いるとすれば,日本人とか中国人とかでしょうかね。
日本人が厳しく評価するのは,
YAMAHAの経営理念にも原因があると思います。
国内のありとあらゆる楽器を扱い,安く売り,プロアマ問わず,
ピアノ,弦,管ほぼすべてで国内シェアを席巻しています。
結果として,日本人にとっては入門楽器のイメージとなり,
評価を落としているのではないでしょうか。
しかし,もちろん,一般人に広く音楽を普及させ,
日本を音楽大国にしたという意味では,
極めて大きな貢献をしていると思います。
普通なら感謝されてしかるべきなんですけどね。
なぜか,日本では必ずと言っていいほど,悪く言われますよね。
話は変わりますが(長くなってすみません),
参加者のPhoto gallery の枚数が人によってかなり異なっています。
これは,カメラマンの個人的趣味によるものでしょうか。
それとも,演奏者の人気と何か関係があるのでしょうか。
by fenn (2010-10-15 09:26)
残念ですねー。審査員が違うと、また違う結果だったでしょうね。
ところで僕のアメブロお友達のピアノ調律師さんのブログで、ピアノの椅子について詳しく説明して下さっています。ショパン・コンクールの椅子についても少し触れておられます。娘さんたちのためにも良い情報かと…。もしご興味があれば下記URLのアクセスしてみて下さい。(^.^)/~~~
http://ameblo.jp/atelier-pianopia/entry-10658370109.html
by クリボー (2010-10-15 09:28)
おお!怒涛の更新ですね。
ロシア人ねー。Fスケートではやや衰退気味です。指導者の日米流出とかね。逆にシンクロナイズドスイミングでは女王の座、揺ぎ無し。以前は他の芸術系採点競技では力入れていなかったのですが。気候の問題もあったのかな。
週間新潮の連載でクラシック音楽家さんが鉄道、確か山手線の某駅で鉄腕アトムらしき音楽の和音が変だ、と書いておられました。
「鉄のバイエル」だったか鉄道音楽の本とかも出ているのですね。
もう1つ、新潮に連載の「飛んだカップル」柳沢先生が日本人のギターオタク、舶来信仰について書いておられます。
by 若鷹タカコ (2010-10-15 16:41)
yablinskyさん、書き過ぎだよ~^^
前回の結果が極端でしたから、その反動かなとも思ったりしていますが、アニバーサリーの大会に個性派の実力者達が満を持して登場してきた感がありますね。 そして、YAMAHAはファイナルで過半数を制するかも知れませんね。
by 江州石亭 (2010-10-15 21:34)
セカンドステージへのサヴァイヴァル率が低かったのは特に日本人に厳しかったのではなかった。。。残念なことですね。
ピアノに頑張って(?)もらいましょう。
by Enrique (2010-10-15 21:49)
nyankomeさん、コメントありがとうございます。日本人がいなくなったのは残念ですね。Enriqueさんのおっしゃるようにあとはピアノにがんばってもらいましょう。
by yablinsky (2010-10-15 22:02)
fennさん、コメントありがとうございます。ピアノフォルテさんがFazioliについて会場からコメントをいただきました。「ショパンコンクール その4」をお読みください。4人中3人がのこりましたが、落ちたのは、ああ日本人でしたね。
YAMAHAって海外の楽器会社からすれば一桁違う超ビックな会社です。日本人はもっと誇りにしていいのでしょうね。ちなみにうちはYAMAHAだらけです。
カメラマンの趣味ですかね。
by yablinsky (2010-10-15 22:09)
クリボーさん、コメントありがとうございます。小山さんが審査員に入っているので文句は言えませんね。
椅子の件、興味深く、読みました。実はうちは長女と次女と体格が違うので、頻繁に椅子の高さを変えたいのですが、なかなか簡単にいかず苦労していました。買い替えを検討しようかな。
by yablinsky (2010-10-15 22:12)
若鷹タカコさん、コメントありがとうございます。ショパンコンクールの間は特別増刊号を出します。終わったら一気にがっくり来そうです。
ロシアはいずれにしても体を動かす芸術は強いですよね。バレエの伝統でしょうか。
和音が変とは、普通の人は気がつかないでしょうね。理論的に変だということでしょうか。
舶来信仰は雑誌にも書いてありましたか。これも面白い話題です。うちはブランド品も1つもないし、舶来信仰ゼロです。
by yablinsky (2010-10-15 22:18)
江州石亭さん、コメントありがとうございます。ロシア人がよいとは繰り返し書いておられたし、日本人はそのうち会うかもしれないので、悪くかけないと書いておられましたし、書きすぎではないとおもいますよ。さすが、石亭さんです。
今回のトレンドが、東洋的弾き方から、ロシア的弾き方に変わったのではないでしょうか。また、戻ってくると思います。東洋的弾き方のFei Fei Dongさんはそういう意味からもがんばって欲しいところです。
YAMAHAの勢いすごいですね。ファイナルが楽しみです。
by yablinsky (2010-10-15 22:23)
Enriqueさん、コメントありがとうございます。日本人はショパンコンクール出場ぎりぎりの方が多かったのでしょうね。それから今回はロシア的奏法がはやりとなってしまったのが大きいのかもしれません。素人としてはなんとも分からないのですけど・・・
おっしゃるとおり後はピアノにがんばってもらいましょう。しかし、私にはまだClaire HungciさんとFei Fei Dongさんの応援があります。
by yablinsky (2010-10-15 22:27)
Webプレス社さん、tamanossimoさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-15 22:28)
何だか、どんどん寂しくなりますね。
ピアノのメーカーだけですね。
by matcha (2010-10-15 23:33)
matchaさん、コメントありがとうございます。
YAMAHAの健闘が光ります。
KAWAIはあとは優勝しかありません。
Shigeru Kawaiはもう見られないのでしょうか。
by yablinsky (2010-10-16 01:02)
Hidekiyo.F.Metastasioさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-16 01:03)
ロシア流というかなんというか、ロシアは奏法が独特なんですよね
ロシア人作曲家の曲は、やっぱりロシアだな!って感じがして
いいんですけれども、ショパンはちょっとイメージが違うかも。
でも、静と動の競演みたいな感じでそれもまた趣があるなぁと('w`)
by Caelum (2010-10-16 09:24)
ついでながら,Yamahaについても調べてみました。
今年の7月に今までにないものすごいものを作ったようです。
http://www.yamaha.co.jp/product/piano-keyboard/premiumpianos/products/cfx/
たぶん,ショパンコンクールに合わせて完成させたんでしょうね。
この前身機で,チャイコフスキーコンクール2回優勝しています。
そのチャイコフスキーコンクールでは,Yamaha使用率40%だそうです。
新しい機種はSteinwayと同額で,もはや安いYamahaではなくなり,
Steinwayの一人勝ち状態の終焉が近いかもしれないですね。
そのうち,ピアノ新御三家,実績のSteinway,技術のYamaha,こだわりのFazioli,みたいに言われる日が来るかもしれません。
by fenn (2010-10-16 10:57)
Caelumさん、コメントありがとうございます。ロシア奏法がショパンコンクールでトレンドかどうかは現在分かりませんが、ファイナリストをみればそうなる可能性もありますね。私はショパンにはアジア奏法がよいと思うとんでもない人間です。ポーランド人に怒られそうです。
by yablinsky (2010-10-16 13:48)
fennさん、コメントありがとうございます。YAMAHAといえばCFⅢSというイメージですが、新製品が出ていたのですね。しかも500万も定価が上がっています。庶民には関係ない機種ですね。名前もCF4,6、Xと継承してますね。ショパンコンクールのピアノはCFXか、その特別版なのでしょうか。だんだん高級路線をとっても売れるようなブランド力がついてきたということでしょうか。あと1人になってしまいましたが、Shigeru Kawaiも評判よいようです。海外の人からすれば滋ってかっこいい響きがあるのでしょうか?
by yablinsky (2010-10-16 13:56)
頻繁に書き込みすみません。
yablinskyさんのご指摘があったので,Kawaiも調べてみました。
http://www.kawai.co.jp/piano/life/join/contest.html
これを見る限り,コンクールではかなりの実績を残しているようですね。
そうなると,逆に疑問が生じてきます。
なぜKawaiの名を普段のコンサートでほとんど聞かないのか。
多くのピアニストがSteinwayを選ぶのはなぜか。
http://www.steinway.com/artists/immortals/
コンクールの場というのは,必ずしもピアノのシェア率を反映しているわけではない,ということなのでしょうか。
実際は,単にメーカーの名を売り込む場と考えているのかもしれません。
Steinwayは何もそこまでして名を売り込まなくてもいいわけで,
ショパコンぐらいは出してもらおうや,というぐらいなものなのかも。
YamahaやKawaiは,どう考えても売り込みそうですし,
Fazioliもそうでしょうね。
by fenn (2010-10-16 17:14)
fennさん、コメントありがとうございます。バイオリニストはバイオリンを持ち運びますが、ピアニストはホール備え付けのものを使います。日本のホールの場合、舶来信仰があり、Steinway & Sonsになるのかもしれませんね。実はYAMAHA大好きピアニストも多いはずです。
それぞれの会社がアーティストを抱えてますね。Steinway artistsを教えていただきありがとうございます。私が注目のClaire HuangciさんはYAMAHA artistです。ですから彼女はYAMAHA以外は使えないはずです。Kawaiにもあるのでしょうね。こちらは存じ上げません。
by yablinsky (2010-10-16 18:26)
yutililさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-19 22:06)
optimistさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-19 23:58)