ショパンコンクール その4 [レッスン・生演奏]
このブログで毎回取り上げているClaire Huangciさんの第2ステージの演奏が終わりました。もともとClaire Huangciさんの動画を見たのは江州石亭さんのブログです。その個性的な演奏に圧倒されました。正確な演奏だというのが第1印象で、かなり硬い演奏だと思いました。ある大御所のピアニストにはロボット的と言われたとか・・・手の動きも超絶技巧ではあるけれど機械的でした。しかし、今回第2ステージの動画を見て、びっくりしました!奏法が変わっている!手もくるんくるんとまわす奏法です。実はこれはうちの次女が習っている奏法です。Claireさんもロボット的だと批評され、情感を前面にだすため自己改造してきたようですが、それが次女の奏法と同じものを選んだようです。これは録画して教育に使うしかありません。そして今朝から動画を次女にしっかり見せました。これはClaireさんには入賞して次女にも強い印象を残して欲しいところです。
ところでREIKOさんから、日本メーカを選んでいるのは日本人ではないという指摘をいただきました。私もなんとなく感じていましたが、この際、数えてみました。第2ステージに残った6人の日本人がどのピアノを選んでいるかといえば
Steinway 3
Yamaha 1
Kawai 1
Fazioli 1
のようになっています。確かに日本メーカーを選んでいるのは日本人ではないのが分かります。日本メーカーもローカルな存在でなく、グローバルな存在になっていることが分かります。ちなみにClaire HuangciさんはYamahaです。
昨日見た、Fei Fei Dongさん(中国)もすごい演奏でしたが、Da Sol Kimさん(韓国)もすごかった。おかげで寝るのが2時半になってしまいました。日本人ピアニストにも第3ステージに多くの方が進むことを望みます。
ショパンコンクールのウェブページはどんどん変わるのですが、今度は第1ステージの動画が見れるようになりました。うれしい限りです。
[関連情報]
[1] ショパンコンクール, 10/10/06
[2] ショパンコンクール その2, 10/10/10
[3] ショパンコンクール その3, 10/10/11
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サイトを見てきました。
セカンドステージって、1人50分、8曲も演奏するとは知りませんでした。
聴いている審査員も大変ですね。
ある審査員経験者の人がコンクールに公平な審査なんて無理だというようなことをどこかで書いておられましたが、好みの問題は別としても、全く同じ精神状態で朝から晩まで聴くなんて無理ですものね。
by ながぐつ (2010-10-12 08:11)
何度もすみません。
Yamahaは,もう何十年も前から,恐らく70年代頃から,
世界に認められていると思います。
どこかのブログで読みましたが,Steinwayの技術を取り入れているそうで
つまり,Steinwayとほぼ同質のものを安価で大量生産ができ,
しかもどのメーカーよりも音が極めて安定しているということで
世界中で重宝されているようです。
言うなれば,Fazioliとは,対極にあるということでしょうね。
また,コンクールの演奏者は,普段使っているメーカーを選ぶことが多く,
それもまたSteinwayに次いで,Yamahaの人気が高い原因かもしれません。
でも,中には試し弾きをして,慎重に選ぶ人もいるとのことですが,
もちろん,その結果として,Yamahaを選ぶ人もいるはずです。
それから,またどこかのブログで読みましたが,
ヨーロッパ人は基本的にコンクール嫌いが多いようです。
(ドイツ,イタリア,フランス,イギリス,スペインあたりですが)
当然といえば当然かもしれません。
何も力を競わなくても,家系や家柄,師弟関係で職にありつけるでしょうから。
もちろん,例外はいくらでもいると思いますが,
少なくとも外国人よりは優遇されると思います。
しかし,基本的な土壌のない,あるいは乏しい,
もしくは競うことで国力を高めようとしている国(あるいは旧共産圏),
例えば,ロシア,東欧,東アジアの国々にとっては,
コンクールに頼らざるを得ないわけで,
そういう背景が参加者の出身国に現れている,
というようなことが書いてありました。
なるほど,と思い,ここに書かせていただきました。
by fenn (2010-10-12 18:39)
ウィンタースポーッ採点競技では、日本人がメダル取ると、 ルール改正 という傾向 が。。 クラシック 音楽 コンペ でそーゆーの有りますか?
by ワカタカタカコ (2010-10-12 18:52)
江州石亭さん、cfpさん、tamanossimoさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-12 21:53)
ながぐつさん、コメントありがとうございます。3連休はゆっくり聞けました。本当にすごく緊張したリサイタルをいくつも聞いているようで、第3者としては最高です。審査員は大変でしょうね。通常のコンクールでは減点方式だったり、基準があったりして、何とか平等性を確保してるようですが、それが逆に型にはまらないピアニストはコンクールでは上位にいけないと弊害があるようです。最高峰のショパンコンクールはどうしているのかは知りません。
by yablinsky (2010-10-12 21:58)
fennさん、いつも有益な情報をありがとうございます。感謝します。そうですね。YAMAHAはずっと昔から世界のYAMAHAですが、コンクールや音大のピアノとしてはSteinwayの後塵を拝している感じがします。YAMAHAのKAWAIも日本の会社らしい会社で誇りに思ってよい会社ですね。
なるほど、東西のヨーロッパのピアニストにはそんな事情があるのですね。
by yablinsky (2010-10-12 22:06)
ワカタカタカコさん、コメントありがとうございます。そういうことは聞いたことはありませんが、私は内部事情に精通している訳ではありませんので、分かりません。
by yablinsky (2010-10-12 22:10)
Webプレス社さん、optimistさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-12 23:50)
YAMAHAはSteinwayの技術を取り入れることから始まったかも知れませんが、既に独自のスタイルを築いていますね。
コンサート・ホールで聴くとその違いがよく分かります。
by nyankome (2010-10-13 00:37)
nyankomeさん、コメントありがとうございます。日本人が作っていますから、生真面目で細かいところまで神経を使ったピアノですよね。音もそのような音が出ているようにもなんとなく感じます。実際のところ、利き酒ならぬ、利きピアノは私はできません。ホールでぜんぜん違う音になるのはよく知ってます。よいホールでしたら、違いが分からない私です。
by yablinsky (2010-10-13 00:43)
ヤマハといえばグールドのゴルトベルク変奏曲(世界で最も売れているピアノCDorレコードかもしれませんね。それとも旧盤の方が売れてるのかな?)に使用されていますね。
グールドがヤマハを選んだのが、とってもうれしいです。多分、グールドによってかなりの調律というか改造というか、されているでしょうが。
リヒテルもケンプもヤマハ好きですね。ケンプはスタインウェイだったかな、とスポンサー契約していたため、ヤマハ好きでもスタインウェイを選ばざるを得なかったようですが。ここら辺のことはリヒテルの本の中で、彼自身の言葉として書いてあったような…。
ショパン・コンクールって調律どうしているのかな?演奏者によってその要求に応じている暇はないですよね。これはショパン・コンクールに限らずでしょうが。それに度々動かすだろうから、その内くるってくるでしょうね。多分毎日メンテナンスしてるんでしょうね。だから、演奏者は必ず試奏して自分が弾くピアノを決めるんだと思っていましたが、どうなんでしょうね。
(^.^)/~~~
by クリボー (2010-10-13 07:07)
クリボーさん、コメントありがとうございます。グールドはYAMAHAだったのですか。知りませんでした。ケンプの話ですが、契約とかがあっていろいろ好みだけでは選べないのでしょうね。今回もYAMAHA artistsからの出場もあります。
調律は各メーカーが威信をかけて、毎日やっているのをビデオで見たことがあります。基本的には指弾してピアノを決めるようですが、契約がある人はそのピアノを選ばざるを得ないですよね。
by yablinsky (2010-10-13 07:32)
非常に興味深いページを見つけましたのでご参考に。全部読むのは大変ですが、さらっと飛ばし読みしても、とても興奮する内容です。
無断使用は硬く禁じているようなのでお気を付け下さい。URLを教えるのが違反とは考えにくいのですが、無難にするため、
「グールド ヤマハ」でGoogleで検索するとトップに出てきます。
「グールド晩年のピアノ…」という記事で、ゴルトベルク録音時の当事者の書いた記事です。
(^.^)/~~~
by クリボー (2010-10-13 10:41)
ヤブリンスキー様
>手もまわす奏法
何かしら効果があるのでしょうね、これまた別の記事になさるのかな…。
>コンクールに公平な審査なんて無理
Fスケートでもある事です。
新庄剛志選手は「監督が黒人ならば黒人、ヒスパニックならば…」と人種による選手重用を嘆いていましたけど。
by 若鷹タカ子 (2010-10-13 15:42)
Steinway 3台は、さすがですね。
でも、国産2台は、健闘してますね。
演奏の方も、負けずに頑張って欲しいものです。
by matcha (2010-10-13 18:55)
日本人があまりYAMAHA,KAWAIを選んでいないのは面白いですね。これはギターの世界でもあって,世界的には結構YAMAHA製は使われているものの,日本人は殆ど使いません。他の楽器でも似たような傾向あるかも知れません。ピアノの評価が一番高いはずなんですがね。
まだ舶来信仰が残っているのかもしれません。そういう私も国産は湿っぽい音がするとか言って,US製を使っていますが。
by Enrique (2010-10-13 23:14)
クリボーさん、コメントありがとうございます。大変興味深いページをお知らせいただき感謝します。これは貴重なページですね。グールドの史料になりそうだと思いました。
by yablinsky (2010-10-13 23:23)
若鷹タカ子さん、コメントありがとうございます。原理は分かりませんが、なんだか音に温かみが出てくる、または生き生きしてくるのは確かです。たぶんテンポの微妙な変化をつけやすいなどの理由と思われます。技術者と芸術家はなかなか言葉がお互いに通じなくて苦労します。
by yablinsky (2010-10-13 23:26)
matchaさん、コメントありがとうございます。そうです。演奏もがんばって欲しいですね。深夜まで聞いてましたが、岩崎洵奈さんの演奏よかったですよ。
by yablinsky (2010-10-13 23:27)
Enriqueさん、コメントありがとうございます。ギターの世界でもあるのですね。舶来信仰はまだまだあるということですか。車や家電など実用品に関しては舶来信仰がない日本人も、非実用品のブランド品や楽器には舶来信仰があるのは面白いです。私自体はまったく舶来信仰はありませんが、車の保険など実用的なものが外資系だったりします。
by yablinsky (2010-10-13 23:33)
世界のヤマハ、世界のカワイですなぁ…
確か、スタインウェイの姉妹ブランドのボストンピアノは
カワイの工場で作られているんですよね。
しかし、日本人の日本離れとはどうしたものですかね…('w`)
by Caelum (2010-10-14 02:24)
Caelumさん、コメントありがとうございます。ボストンピアノってカワイで作っているのですか。知りませんでした。OEMですね。Enriqueさんのおっしゃている高度成長期以前の舶来信仰がまだ部分的に残っているということでしょうか。
by yablinsky (2010-10-14 07:20)
初めまして~!(かな?)
Ceciliaさんに教えていただいて遊びに参りました。
クレア・ファンチさん、2次をホールで拝聴しましたが、すごく印象に残りました。音もきれいですがその弾く身体の使い方、腕や肩から大きく使っていて、全身で良い音を探している、そんな感じがしました。
彼女はプログラムの構成も非常に新鮮で、特にノクターンの遺作を始めに弾いてくれて、会場の清涼剤となっていた感じがします。(どの方も曲がいっぱいかぶって、カレポロや、ポロ5でおなかいっぱい状態でしたから。)
ドレスもお似合いで、見ていても大変絵になる魅力的なピアニストだなあ~と感じました!
ピアノの音ですが・・会場では弾き手にもよるかもしれませんがヤマハよりカワイの響きが印象に残っています。
ファツイオリは賛否両論あり、1階席だとカンカンするが2階席だとすごくいい音だとか・・・
弾き手にあっていたらきっと良い響きなのかな・・と思ったり。
いろんな条件で音色や響きがちがってくるので難しいところですね。
by ピアノフォルテ (2010-10-15 11:21)
ピアノフォルテさん、コメントありがとうございます。前に少々お付き合いしたことがありますね。今もショパンコンクールの中継を見ていたのですが、どの方かがピアノフォルテさんなのだろうなと思い見ておりました。クレアさんは第3ステージでは奏法を変えてきました。びっくりしました。そのことはまた記事にします。
Fazioli情報ありがとうございます。一生関係ないのでしょうが、Fazioliに興味が出てきました。
by yablinsky (2010-10-15 21:50)