ショパンコンクール その2    [音楽日記]

ショパンコンクールはファーストステージが終わり、セカンドステージが始まりました。今回もウェブページのデータを数えてみました。

ショパンコンクール公式ウェブページ
The 16th International Fryderyk Chopin Piano Competition

http://konkurs.chopin.pl

まず、国別の人数を見てみましょう。ファーストステージではダントツの出場数を誇っていた日本ですが、セカンドステージへの出場率は35%と低く、出場数でもわずかにロシアに負けてしまいました。しかし35%はちょっと他国に比べて低くないですか。人数が多すぎるので意図的に落とされたか、出場ぎりぎりの人が多かったのか。

国名      セカンドステージ/ファーストステージ=セカンドステージ出場率
ロシア     7/10=70%
日本      6/17=35%
中国      5/7=71%
ポーランド   4/7=57%
アメリカ    3/5=60%
フランス    3/4=75%
イタリア    2/3=67%
韓国      2/3=67%
ウクライナ   2/2=100%
オーストリア  1/1=100%
ブルガリア   1/1=100%
カナダ     1/1=100%
オーストラリア 1/2=50%
スペイン    1/1=100%
台湾      1/5=20%
ドイツ     0/1=0%
クロアチア   0/1=0%
イスラエル   0/3=0%
スイス     0/1=0%
グルジア    0/1=0%
アルメニア   0/1=0%

日本のピアノメーカのシェアは上昇しています。YAMAHAのピアノを使ってセカンドステージに進んだ人の人数より1人YAMAHAのピアノを使う人が増えています。日本メーカはがんばってます。しかし、Fazioliのセカンドステージ出場率100%というのもすごいですね。

ピアノメーカー 
セカンドステージ
(セカンドステージに進んだ人がファーストステージで選んだメーカー)
/ファーストステージ
=セカンドステージ出場率
Steinway 23(24)/53=43%
Yamaha  7(6)/11=63%
Kawai   6(6)/10=60%
Fazioli  4(4)/4=100%

私と石亭さんが気になるClaire Huangci (USA)さんのファーストステージの演奏を聴いてみました。いつものように正確な演奏です。そして硬い演奏です。ここがいつもの個性なのですが、ショパンコンクールでどこまでこの個性が認められるか見ものです。私には柔軟さ目立つようになってきているように感じます。

[関連情報]
[1] ショパンコンクール, 10/10/06



2010-10-10 00:00  nice!(7)  コメント(23)  トラックバック(0) 
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コメント 23

nyankome

日本からの出場者は凄い数ですね。
セカンドステージに6人とは、十分健闘していると思います。
YAMAHAのピアノも健闘していますね。
世界に十分通用する音楽大国になってきたと言うことですね。
by nyankome (2010-10-10 01:52) 

江州石亭

日本人参加者の演奏水準は全体的には高いと思っているんですが、ただ個性的か?となるとそこが大きな問題になるのではとも思っています。 でも今年のロシアを始め東欧勢は凄い力を持った人が多く残っていますねぇ。 アジア勢が駆逐されてしまうかも知れませんねぇ。
by 江州石亭 (2010-10-10 08:31) 

yablinsky

nyankomeさん、コメントありがとうございます。私も日本の実力はすごく上がっていると思います。お一人お一人はすごすぎるピアニストです。なるべく多くの人にサードステージ、ファイナルと進んで欲しいですね。YAMAHA,KAWAIも健闘しています。Fazioliは小規模なので商売上は気にならないかもしれませんが、コンクールになると実力を発揮してきますね。
by yablinsky (2010-10-10 10:24) 

yablinsky

江州石亭さん、コメントありがとうございます。個性ですか。ピアニストだけでなく日本全体にいえることですね。学校時代はみんなと同じでないと気持ちよく学校生活が送れないあの雰囲気がよくありませんね。ロシア、東欧勢の活躍もある意味楽しみです。今後とも楽しみです。
by yablinsky (2010-10-10 10:28) 

yablinsky

tamanossimoさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-10 10:28) 

matcha

nyankomeさんの仰られるように、このコンクールにおける日本の貢献は素晴らしいと思います。
ただ、隣国を見るとがんばってるなあと・・・。
ピアノという楽器については、日本の技術の高さが誇れると思いますが、韓国の躍進は、凄いですね。
韓国の民族は、芸術性に優れているのかも知れませんね。
by matcha (2010-10-10 10:53) 

Enrique

セカンドステージ出場数を見ればロシアに次ぐ2位で貢献振りが分りますが,率で見ると下位になってしまいます。権威あるショパンコンクールに変なバイアスは無いとは思いますが。。。
日本の出場者が多いのはショパン好きが多いことと,両国の友好関係が見逃せません。
ピアノは健闘していますね。
by Enrique (2010-10-10 11:07) 

yablinsky

matchaさん、コメントありがとうございます。そうですね。日本の貢献はすごいです。数ではまだ韓国に勝ってますが、前回もファイナルで後塵を拝することになりましたので、侮れません。日本人は激しさを表に出さない民族ですからね。無理はしてはいけないと思います。
by yablinsky (2010-10-10 15:12) 

yablinsky

Enriqueさん、コメントありがとうございます。音楽大国ロシアには抜かれましたが、まだまだ2位です。是非、複数名ファイナルに残って欲しいところです。それに念願の初優勝も期待したい。日本もピアノに関しては大国のようです。
by yablinsky (2010-10-10 15:16) 

クリボー

僕は、好きなピアニストがコンクールで何位だったかとか気にならないので、ショパンコンクールは詳しくないんですが、毎年、ワルシャワの同じホールで開催されるのでしょうか?ピアノはコンクールの時に準備するのか、ホールに備え付けなのか、どうなんでしょうね。

後、今年の審査員の名前って分かりますか?自分で調べればいいか…。
先のコメントでもありましたが、ベーゼンドルファーは無いんですね。多分高級機インペリアルになると、97鍵あって、低域に共振弦があるために、コンクールで比較試聴するには向かないのかな?ワルシャワのホールが持っていないだけかもしれないし、営業下手のベーゼンがスポンサーになれなかったのかも。(^.^)/~~~
by クリボー (2010-10-10 18:46) 

ワカタカタカコ

ドィッ、0!? 参加者も少ない。。。。
by ワカタカタカコ (2010-10-10 18:52) 

fenn

現在,ベーゼンドルファーはヤマハの傘下ですね。確か。
経営困難のためです。
以前は,確かショパンコンクールに名前を連ねていたと思います。

ヨーロッパの音楽事情は日本で考えられている以上に経済的に厳しいようです。
夢のない話になってしまいますが,
資本がアメリカのスタインウェイと日本のヤマハとカワイが強いのは,
その経済力と無関係ではないと思います。

また,ドイツ・オーストリアは,他の国の音楽を受け入れない土壌があり,
北欧,ロシアはもちろんのこと,フランス(ショパンも含む),イタリアなども
滅多に取り上げられないようです。
つまり,ウィーンにあらざれば音楽にあらず,ということでしょうか。
by fenn (2010-10-10 19:09) 

クリボー

この場をお借りして、fennさん、ありがとうございます。勉強になります。

ベーゼンが年間製作量が少なく、営業戦略も下手、というか老舗の伝統のためか、経済的にダウンしたことがヤマハの傘下に入ったきっかけと聞いたことがあります。
ベーゼン側にもウィーンの誇りが強く、それがそもそもの原因だったのですね、きっと。

ファツィオリはイタリアみたいですね。ピアノに対して、保守性が無く、営業はうまく行っているのかも…?
ベヒシュタインも無いですね。これもドイツの誇りから経営難なのかな。

ショパンコンクールに採用されると、メーカーにとっては相当な宣伝になるでしょうね。多額を寄付したり、コンクールに全面協力したりして、大きなお金を動かしているのかもしれませんね。でも末端で仕事をしている人は、「芸術のため」意識でいて欲しいですね。
(^.^)/~~~
by クリボー (2010-10-10 20:19) 

yablinsky

クリボーさん、コメントありがとうございます。ショパンコンクールは5年に1度です。つまりオリンピックの方がインターバルは短いことになります。ピアノもピアノメーカーは総力を上げて特別なものを持ち込んでいるはずです。

審査員はこちらです。
http://konkurs.chopin.pl/en/edition/xvi/jury/info
アルゲリッチが入ってます。それから小山実稚恵さんも入ってます。

公式ピアノは4社です。これ以外のピアノは使えません。fennさんが詳しくコメントされてますね。
by yablinsky (2010-10-11 00:03) 

yablinsky

ワカタカタカコさん、コメントありがとうございます。そうです。ドイツはいなくなりました。fennさんのおっしゃるようなこともあるかもしれませんね。そのほか、ショパンコンクールに出る前に優秀なピアニストはプロになってしまうということもあると思います。プロになるためにショパンコンクールにですわけでプロであれば、出る必要がないということもいえます。過去にプロが出て、このコンクールで成績が振るわず、消えていったプロもいたとか・・・
by yablinsky (2010-10-11 01:51) 

yablinsky

fennさん、いろいろドイツ情報をありがとうございます。私はドイツの国内情報は存じておりません。DTMではsteiburgもYAMAHA傘下ですね。
by yablinsky (2010-10-11 02:03) 

yablinsky

Webプレス社さん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-10-11 02:04) 

REIKO

公式サイトを見てみると、ヤマハやカワイを使っているのは、日本人以外の奏者が多いんですよね、面白い現象?だと。
ドイツからは1人しかエントリしてなかったのですか・・・イギリスはゼロ!?
旧西側諸国から見ると、ポーランドなんて単なる田舎としか映ってないのかもしれませんが。
そこへいくと、日本は良くも悪くも「ヨーロッパ」と一緒くた(笑)なので、ショパンへの憧れがそのままこ、のコンクールへの憧れにもなってるのでしょうね。
ファツイオリは、イタリアの職人が一台一台作ってるメーカー(というほどデカくないはず)ですが、大量生産ピアノにはない個性と良さがあるのかもしれません。
by REIKO (2010-10-11 12:47) 

yablinsky

REIKOさん、コメントありがとうございます。そのようですね。日本人が多く出場するから日本メーカーが使われるわけではないというのはよい傾向です。

ドイツの第1ステージのエントリーは1人です。第2ステージには進めませんでした。どうしてこうなるのか内情に詳しい人に聞いてみたいですね。

by yablinsky (2010-10-11 15:25) 

Caelum

Fazioliやりますなぁ、流石はピアノ界の工芸品…
生産台数の問題もありますし、Fazioliを使うような方はやっぱり
相応の腕をお持ちだという事なんでしょうか。
by Caelum (2010-10-12 00:08) 

yablinsky

Caelumさん、コメントありがとうございます。Fazioliを使う人はこだわりのピアニストなのでしょうね。しかし、いくら円高でもFazilioは庶民には遠い存在です。会社を大きくせず、収益幅を大きくする戦略も会社の1つ成立条件ですね。規模を追求しないこの方法が社員は幸せかもしれません。
by yablinsky (2010-10-12 07:25) 

optimist

日本のピアノメーカのシェアが上昇しているとは、知りませんでした。
日本経済を牽引して貰うという意味でも、頑張って欲しいです。
by optimist (2010-10-12 22:38) 

yablinsky

optimistさん、コメントありがとうございます。ここで言うシェアはコンクールでの話です。説明が足りませんでした。世界市場のシェアは日本の会社が世界制覇している状態だと理解しています。世界制覇している産業はかえってマスコミには取り上げられないのが不思議です。
by yablinsky (2010-10-12 23:41) 

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