ペッツォールトのメヌエットの楽曲研究 [奏法・楽曲研究]

 楽曲研究という題名にしましたが、それほどの内容ではありません。ペッツォールトのメヌエットをDTM(desktop music)で演奏することになったきっかけは[1]でも説明しましたが、うちの子ども弐号がピアノの先生に要望したからです。どんな曲だったか思いつかない人は単なる音符のみの入力ですが、[2]でオルガンで演奏させています。
 素人の私には感覚的に音符を入力する手もありますが、少しは調べて見ようと思い、以下の楽譜を購入しました。

J. S. BACH, KLAVIERBUCHLEIN(クラヴィーア小曲集), 全音楽譜出版社

 私のような素人には思いのほか良書で、本曲の全体的な演奏法だけでなく、モルデントやトリルの演奏法まで解説されています。

 この曲は大きく前半[A]と後半[B]に別れており、それぞれリピートがあり、演奏は[A][A'][B][B']となります。本書によれば、[mf][p][mf][p]として演奏するように解説されています。弐号はこのように演奏すべきかもしれませんが、私の場合、趣味なので変えても問題なかろうと勝手に思っています。[p][p][mf][p]にして、前半の2つのpは演奏法表現を変えてみようと計画しています。許されるのでしょうか。

 それからこの曲は3拍子なのですが、最初の拍を強く演奏するそうです。感覚的にこれは良く理解できますが、必ずそうするだけではいけないような気もします。場合によっては1拍目が小さくなることもありそうな予感です。

 本曲中には装飾音としてはモルデント(mordeant)、前打音、トリル(trillo)があります。本書には実際にどう演奏するか、音符で書き下してあります。音楽をよく知っている人には常識と思いますが、バロックの時代のトリルはロマン派の時代とは違うのです。私には驚きでした。

trillo.JPG

 上図の1小節がバロックのトリルでtrと便宜的に書いていますが、mのような形をした記号です。表示された音符の1つ高い音から演奏するのです。ロマン派のトリルは前にも使った経験があり、2小節のようになります。表示された音符から演奏を始めます。これだけでも私のような素人には本書購入の元がとれたようなものです。

 音楽の世界はほんとうに深いですね。

PS: うちの子ども弐号は、自力で譜読みをすすめ、もうすぐ前半が終わりそうです。がんばれー!

[関連情報]
[1]なぜかペッツォールトのメヌエットの研究開始, 10/01/05
[2]ペッツォールトのメヌエット(オルガン編), 09/12/28


2010-01-25 00:12  nice!(5)  コメント(10)  トラックバック(0) 
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Caelum

曲の解釈については、色々な意見がありますけれども
作曲者の意図を厳密に読み取る再現芸術であるのか
作曲者の作品を借りて、自分の感じる情景を表現する
創作なのか、というトコロですよね。

前者を重んじる場合、後者を「冒涜」と斬って捨てる
方がおられるのも事実ですが、音楽ってそんなに狭量な
芸術ではないと思うんですよね。
yablinskyさんの描く情景を表現する、大いにアリだと
俺は思いますよ('ー`)b
by Caelum (2010-01-25 00:26) 

yablinsky

Caelumさん、コメントありがとうございます。いやいや私の演奏などそれほど、高尚なものではありません。最初がmfで次がpというのはペッツォールトの指示ではなく、この楽譜の著者の方の解釈です。ですが、業界スタンダードな解釈と類推できます。最近、仕事が忙しいのですが、少しずつ本曲も調整しています。
by yablinsky (2010-01-25 00:55) 

glennmie

はじめまして、いつもnice!をつけてくださってありがとうございます。

バロック期の曲は比較的短くて繰り返しが多いですよね。
なので、繰り返して弾く部分は1回目と変えて演奏されることが多いみたいです。
そちらの楽譜の指示のように強弱で変化をつけたり装飾音を増やしたり変えたりするの。
あと、メヌエットはワルツのような3拍子ではなく、6拍を一つのまとまりとするような(2小節をひとまとまり)ステップだそうですよ。
by glennmie (2010-01-25 01:44) 

yablinsky

glennmieさんコメントありがとうございます。6泊を1まとまりなんですね。やっと謎が解けました。それで1泊目が大きいとは限らないと感覚的に思ってしまったのですね。そう言えば、本能的にそのように作っている気がします。でもチェックし直します。装飾音は自分で変化させてよいとは書いてあるのですが、その自信がないので今のところ楽譜の装飾音通りに作っています。
by yablinsky (2010-01-25 07:50) 

yablinsky

nyankomeさん、佐藤さん、niceありがとうございます。

by yablinsky (2010-01-25 07:51) 

nyankome

当時は演奏上常識だと思われたことは楽譜に記載しないことが通常だったようです。いろいろと指示をするようになるのは、後の時代のこと。
ですから、いろいろと研究してみる必要があるかも知れませんね。
by nyankome (2010-01-25 10:26) 

ワカタカタカコ

わかりきってることは、記載しないってと?昔の人が、賢い?
by ワカタカタカコ (2010-01-25 17:18) 

yablinsky

nyankomeさん、いろいろ研究するといろいろありそうですね。一方、買った楽譜が全音なので、一定の信頼感はありますので、これを信じる手もあるかなとも思います。
by yablinsky (2010-01-25 22:42) 

yablinsky

たかこさん、コメントありがとうございます。昔の常識が、今は常識でないということは、どの世界でもあるかもしれませんね。
by yablinsky (2010-01-25 22:44) 

yablinsky

matchaさんniceありがとうございます。
by yablinsky (2010-01-25 22:50) 

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