人類の共有財産としてのネット情報 [随想]

先日、piano1001というサイトをレフティおじさんと言う方が復活されたと言う記事[1]を書きましたが、それに関連して思うところを書いてみたいと思います。

piano1001は大変優れたピアノの弾き手によるmidiファイルの宝庫でした。midiファイルというのはいつ、どの鍵盤を、どのような強さで打鍵するかが記述されたファイルで、再現する音源により、音は変化します。通常、windows付属のドライバーで再現するとあまり良い音は出ませんが、有料の音源や私のように電子ピアノで再現するとすばらしい音が聞けます。電子ピアノで再現できるものはmidiファイル以外はありません。ピアノ学習者にとってはとても貴重なサイトがpiano1001でした。

その宝庫のサイトが作者死亡により、閉鎖されました。たぶん、クレジット会社からお金が落ちなくなってプロバイダーがサイトを閉鎖したのではないかと想像しています。このようなことはどのサイトに起こっておかしくありません。無料のサイトでも一定期間更新がないと閉鎖するところもあるようです。

さて、インターネットは便利な場所、単なる楽しみの場所を超えた存在になりつつあります。piano1001のように文化的に貴重なサイトもあれば、まだ歴史の専門家が取り上げていない歴史的証言をしているサイトもあります。法律などの重要で有用なサイトもあります。しかも通常、一般人にわかりやすく書かれています。自然を詳しく観察したものもあります。このような貴重な情報が作者死亡で消えてゆくはいかにももったいないことです。これを大衆文化財ととらえ、残してゆく努力が必要ではないでしょうか。国会図書館がそのような活動をしていますが、彼らのデータに私たちは簡単にアクセスできません。

提案としては1つだけです。

「プロバイダは金銭が払い込まれなくなったウェブページやブログなどのサイトは閉鎖せず、更新不可にする。」

こうすることで情報は保持されるはずです。更新ができなくなることで商売上も問題はないはずです。もちろん公序良俗に反するものは今まで通り閉鎖してもかまわないと思います。

このような措置をとれば、年々、インターネットは深みを増します。100年たてば、100年前の人の考えに直接アクセスできます。古いネット空間にはそれだけで価値が出てくるものと思われます。

日本の片隅のブログでこのようなことを書いても何の影響力もありませんが、少しでも多くの人に考えを共有できたら幸いです。

[関連情報]
[1] piano1001復活!,10/11/11



2010-11-18 00:00  nice!(7)  コメント(6)  トラックバック(0) 
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nyankome

インターネットの歴史はせいぜい20年くらいでしょうか。
急激な進化に世の中が付いて行っていないところもありますね。
yablinskyさんが仰るような、価値のある文化財もあるわけですが、保護、保存は個人の責任に任されているところが大きいですものね。
文化財保護という立場でのルール作りが必要ですね。
by nyankome (2010-11-18 01:13) 

yablinsky

nyankomeさん、コメントありがとうございます。おっしゃるように、保存は個人に負かされています。やはり個人では死亡すれば遺族がよほど理解していない限りプロバイダーにより削除される現実でしょうね。本文には書きませんでしたが、プロバイダーの倒産もあるでしょうから、公的機関もしくは業界団体の関与も必要かもしれません。
by yablinsky (2010-11-18 07:53) 

yablinsky

ぼんぼちぼちぼちさん、tamanossimoさん、江州石亭さん、niceありがとうございます。

by yablinsky (2010-11-19 22:16) 

yablinsky

Webプレス社さん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-11-24 21:14) 

yablinsky

kotenさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-12-01 21:29) 

yablinsky

matchaさん、niceありがとうございます。
by yablinsky (2010-12-05 00:06) 

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